人吉市内の小中学校は7月21日から夏休みに入りました。
これまで毎週土曜日に人吉ハリストス正教会の旧司祭館を被災児童のために開放してきましたが、夏休みということで平日の月曜日から木曜日まで、新学期が始まるまで開放することになりました。
教会外のYさんから「被災した子どもたちのために」と頼まれて開放を始めた当初は、こんなに長期間ご協力することになるとは想定していませんでした。また建物も解体予定の空き家なので新たに手を加えられないが、それで皆さんのお役に立つならいいかと思っていました。
しかし水害から1年が過ぎ、南九州の暑い夏を迎えるとなると、多くのお子さんが集まるのに扇風機の風だけでは厳しいものがあると、Yさん共々思っていました。
そこで、最近になって教会に被災者支援のための献金をいただきましたので、それでポータブルなエアコンを教会の備品として購入し、子どもさんたちのために使ってもらうことにしました。
数日前に妻と複数の量販店を下見し(3か所しかありませんが)、今日は一番安かった店に行き、エアコンを購入しました。
私の車で教会に搬入。たまたまYさんが来ていたので、設置を手伝っていただきました。
涼しいです!
室内で夏休みの宿題などをやってもらうのに、環境改善です。
設置が終わって帰りがけに人吉駅に寄ってみました。
昨年7月4日の水害発生以来、鉄道は全て運休しているため、駅は鉄道代行バスの待合所の機能しかありません。
しかし、ちょうど夏休みになったので、今は写真展の会場として使われていました。
人吉駅には明治時代に造られたSL用の車庫があり、水害より前に映画「るろうに剣心 最終章」のロケが行われましたので、そのロケ関連の写真が展示されていました。
人吉駅前には観光協会が造ったからくり時計があり、毎時ごとに地元の民謡に合わせて人形が動き出します。水害の後は数か月間、時計は止まったままでしたが、今は元通りになっています。
駅に着いた時はちょうど13時過ぎだったので、人形が動いているところでした。
また駅前には、明治時代から駅弁を販売している「やまぐち」があります。
人吉駅は観光列車の「SL人吉」や「特急やませみ・かわせみ」の終着駅であり、多くの観光客が降り立っていました。やまぐちも昔ながらの立ち売りで駅弁を観光客向けに販売していました。
しかし、水害後は鉄道の無期限運休で売り上げは激減。以前から駅弁以外の弁当も店頭で小売りしてはいましたが、団体観光客が来なくなった影響は大き過ぎました。
今後どうするのかと思っていたら、最近店舗のスペースを改造してラーメン店を開業したと聞いたので入ってみました。
以前、東京で開業していた人を呼んできたそうで、注文してみたらまさに正統派の醤油味の東京ラーメンでした。
郷に入っては郷に従えとは言いますが、九州ではどこに行っても豚骨ラーメンなので、自分としては子どもの頃から食べ慣れた東京ラーメンの味に恋焦がれていたところでした。写真を撮り忘れるくらい、食らいつきました(笑)。
店もとても繁盛していたので良かったです。
帰宅してYさんからお裾分けしていただいたナスを車から降ろしました。生産者さんから支援活動のために、育ちすぎて出荷できないナスをたくさん寄付していただいたそうです。
長さが30センチ以上あり、ナスというよりヘチマのようです。
我が家でも到底食べきれないので、ご近所に配りました。
ちなみに熊本県は農業生産量で、どの品目もほとんどがベスト5以内に入っています。ナス生産量は全国二位です。
熊本県は大地震と水害に叩かれ続けてきましたが、その都度たくましく復活し、大地の実りを生み出しています。
今日は東京五輪の開会式が行われますが、当初の「復興五輪」というキャッチフレーズは誰も口にしなくなってしまいました。
その復興とは東日本大震災からの復興を指しているのですが、人吉に住む私たちは五輪とは関係なしに、復興に向けて歩んでいます。