九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

病者洗礼・その2 晴れて夫婦で信者に

今日は熊本県を含む九州北部が梅雨入り。朝から雨です。

既に書きましたが、わが人吉は熊本県とはいえ、九州南部に分類される鹿児島・宮崎両県に隣接していますので、実感としては既に梅雨入りしているようなものです。

 

さて、今日は鹿児島ハリストス正教会に日帰り出張しました。

月曜日に洗礼を授けたマチ子さんの夫の秀男さん(ともに仮名)の洗礼のためです。

 

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秀男さんはマチ子さんほど緊急を要する体調ではありませんが、体が不自由で高齢者施設に入所しています。

施設に部外者である私の立入りが許されなかったのは、マチ子さんの病院と同じです。

本当はご夫婦一緒に洗礼を授けてあげたかったのですが、秀男さんの2時間だけの一時外出が認められたのが今日だったので、別々の日になってしまいました。

 

10時半に人吉を出て鹿児島に向かいましたが、鹿児島県内は大雨警報がずっと出ていました。

高速道路は川のようで、鹿児島市内に入ってからも大雨。聖堂のそばに車を停めて中に入るまでの数メートルの間にずぶ濡れになってしまいました。

歩行困難な秀男さんをどうやって聖堂に入れようか。最悪の場合、本人を車から降ろさずに、私が窓から手を入れて洗礼をするしかないな、と覚悟を決めました。

 

しかし、秀男さんが到着した14時過ぎ、雨が急に止んだのです。

車から秀男さんを降ろして、抱えながら聖堂に入れ、無事に洗礼を行うことができました。奇蹟です!

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秀男さん(仮名)の洗礼式

 これで晴れてご夫婦で信者になることができました。

 

教会の庭のアジサイと白ユリも、5日前のマチ子さんの洗礼の時からさらに花が開いて、きれいになっていました。

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鹿児島ハリストス正教会アジサイと白ユリ

 

秀男さんが施設に帰るのを見送り、教会を閉めて出発すると、また豪雨が降り出しました。行きと全く同じシチュエーションで人吉まで1時間半、車を走らせることに。

やはり神が秀男さんのために、一時的に雨を止めていたとしか思えません。

秀男さんもマチ子さんも、地上で残された時間は決して長くないと思われますが、キリスト者となった今、キリストと共に二人で永遠の幸福に与ってほしいと心から願っています。