九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

梅雨入りとコロナ感染拡大

今日、九州南部の梅雨入りが発表されました。

平年より19日早く、観測史上でも二番目に早いとのことです。

 

ちなみに気象庁の定義する九州南部とは、鹿児島県と宮崎県のことであり、熊本県は九州北部に分類されるのですが、わが人吉球磨地方の気象は、熊本市やさらに北の福岡や大分よりも、むしろ境を接している鹿児島・宮崎両県と一致しているように感じています。

実際、今日は午後から雨が降り始め、明日以降も毎日降り続くとの予報です。これを梅雨と言わずして何と言うのでしょう。

 

確かに今年は、花々の咲く時期が異常に早かった印象があります。また、気温も二月末から連日のように20℃以上。三月の終わりには26℃の夏日の日までありました。

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熊本市の満開の梅(2月13日)

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水上村の満開を過ぎた桜(3月23日)

 

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鹿児島ハリストス正教会の満開のツツジ(3月27日)

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玉名市の満開のフジ(4月7日)


そもそも昨日、洗礼のために鹿児島ハリストス正教会に行ったら、アジサイやユリの花がもう咲いていました。 

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鹿児島ハリストス正教会アジサイとユリ(5月10日)

我々人間だけが異常気象だと慌てふためいているだけで、大自然は何も気にせずに日々の営みを続けています。彼らには文字に書いたカレンダーは関係ないのですから。

 

さて、さらに報道では今日一日の熊本県のコロナ新規感染者が最多を更新したとありました。

一昨日に熊本教会で復活祭を司祷してきたばかりですが、万一教会で感染者を出してしまったら…と思うと心配です。

 

しかし、私たちの神学で「神がこの世の万物を創造した」と定義している以上、コロナウイルスもまた、自然界に存在する「神の被造物」の一つと理解せざるを得ません。その意味では、上に過去の写真を掲載した美しい花々と全く一緒です。

つまり、私たちキリスト者は他の自然災害に対するのと同じく、コロナウイルスにも感染防止のための対策を自分自身が気をつければ良いのであって(信仰があればコロナは怖くないとか感染しないといった、カルト的な妄言をいう人には断じて与しません)、肝心なのは世間の情報に振り回されて右往左往するのではなく、神を信じ、神の国を求めていこうということです。

 

そのことは、イエスも「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらの(地上の)ものは皆加えて与えられる。だから、明日のことまで思い悩むな」(マタイ6:33-34)と言っています。

これは今この時だからこそ、大切な主の御言葉だと思いましたので、教会管区のホームページの司祭メッセージにも引用して書きました。ご笑覧ください。

https://www.ocj-kyushu.com/

 

困難の中でも希望を失わずにいようと思い続けています。