九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。2019年から九州全域を担当しています。

復活祭を前に、コロナ感染拡大の悩み

正教会では今度の日曜日が復活祭。今週は主の受難を記憶する受難週間(Passion Week)です。

教会としては一年間で最も重要な一週間であることは間違いないのですが、九州でのコロナの感染拡大も深刻です。福岡県が最も顕著ですが、わが熊本県も危うくなってきました。

 

熊本県ではいわゆる変異株の感染が中心となっており、クラスターも飲食店だけでなく、高校や学童保育など様々な場所で発生して、この10日間ほどで爆発的に感染拡大しています。

 

人吉市民だけでも4月20日以降、17人が感染。周辺の町村民も合わせると、この一週間で人吉で20人以上感染したことになります。

東京や大阪のような大都会の人には「たった20人」と思われるかもしれませんが、人吉市の人口はわずか3万人です。人口あたりの感染者数で対比するなら、人口360万人の横浜市で2400人が感染したのと同じになります。

なまじ2か月ほど感染者ゼロの安全地帯で来たために、かえって油断があるのでしょうか。

 

既に5月2日の福岡での復活祭を取り止めて、人吉教会に会場変更したことはアナウンス済みですが、人口も感染者も多いのに、会堂が狭くてソーシャルディスタンスの確保に不安のある福岡と熊本の教会は、復活祭を所属信徒のみに限定して外部の方の参祷をご遠慮いただくことにしました。

それで、今日は教会のウェブサイトの日程表も書き直しました。

 

さて、写真は週末の鹿児島巡回の時、途中で立ち寄った伊佐市のスズランの群生地「すずらんの里」で撮りました。満州から引き揚げてきた住民(故人)が、満州で見たスズランを懐かしんで森の中にスズランの苗を植え、それが今は1万株にまで増えたものです。

f:id:frgregory:20210427213659j:plain

鹿児島県伊佐市に群生するスズラン

北国の植物であるスズランが南国・鹿児島に根付き、たくましく生きているように、自分もコロナ禍に負けずに教会を運営できるよう努めていきたいと思います。