鹿児島に出張した時、帰りは鹿児島市内で高速に乗らずに、姶良(あいら)インターまで海辺の一般道を走っています。その方が鹿児島湾と桜島の景色を楽しめるからです。
この姶良に日本一の大木があると知り、先週末の鹿児島出張からの帰りに寄ってみました。
この「蒲生の大クス」は昭和63年の環境省の調査で、根元の太さ33.57mと測定され、日本一の大木と認定されました。
樹齢は1500年以上。1123年にこの神社が創建された時から、御神木として崇められていたそうです。
この木が生えたと思われる5世紀は、わが国は古墳時代です。そんな古代から歴史を眺め続けていたことにはロマンを感じました。
また、そんな老木なのに勢いのある枝ぶりと青々とした葉を茂らせた姿には、みなぎる生命力も伝わってきます。
神の天地創造の御業を全身で表しているようで、感動的でした。
さてこの蒲生は、島津義弘が造った武士の要塞集落「麓」の一つです。私は既に知覧と出水の麓を訪ねましたが、この蒲生麓にも武家屋敷町が残っています。
他の麓と同じく、独特の石垣が道の両側に続いています。
家々は今も人が住んでいるところがほとんどで、そのため家屋は昔のものではなく、現代のものに建て替えられてしまっています。しかし、門構えだけは江戸時代のままの家がたくさんありました。
他の麓の武家屋敷と同様、観光のために造られたのではなく、昔からあるものが人々の生活の中で生き続けているのが魅力的です。
個人ではメンテナンスが大変とは思いますが、地域の歴史の遺産として大切に受け継いでほしいと思いました。