今日は午前中、八代を訪ねました。人吉からは九州自動車道で隣のインターチェンジ。片道30分ほどの行程です。
見どころは八代城址の周囲に固まっています。
八代城は熊本藩主の加藤氏によって建てられ、藩主が加藤氏から細川氏に替わった時は細川忠興の居城となりました。忠興の死後は藩の家老の松井氏が城主となり、明治維新まで続きました。
徳川家康は「一国一城制」を敷き、各藩に城を一つだけ残して他を破却させましたが、熊本藩は薩摩藩への防衛の要として八代城の存続が特例として認められたレアケースとのこと。徳川体制の始めから、島津は徳川の脅威と見なされていたのですね。
いずれにせよ松井氏は藩主でなく家臣でありながら、城と三万石の知行を与えられていた破格の武家であり(人吉は藩だが二万石)、そのためとてもゴージャスで文化的なものを見学できました。
まず、松井氏邸の松浜軒へ。
この庭園は「西国藩主別邸庭園」として、熊本・成趣園、鹿児島・仙厳園、柳川・松濤園と並ぶものだそうです。成趣園と仙厳園には既に行ったので、早く柳川にも行ってみたいものです。
庭園も素晴らしいのですが、展示室に江戸時代から伝わる松井家のひな人形がいくつも展示してあり、受付の女性が詳しく説明してくれました。満足度が髙かったです。
ちなみにこの庭園は池の花菖蒲が有名とのこと。菖蒲の季節の6月に再訪してみたくなりました。
松浜軒の並びの松井神社には、細川忠興が植えた梅「臥龍梅」があります。熊本県天然記念物に指定されていますが、木が枯れかかっており、ちょっと痛々しい状態でした。
松浜軒の道を隔てた向かいに八代市立博物館があります。
ちょうど八代妙見祭の山車「笠鉾」の特別展が行われていました。
私は八代妙見祭のことは知らなかったのですが、長崎くんちや博多どんたくなどと並ぶ九州を代表する祭だそうで、ユネスコ無形文化遺産と国指定重要無形民俗文化財に指定されています。
江戸時代に始まった祭で、各町内ごとに造られた八基の笠鉾行列が見どころです。
そうと知っていれば見に行っていたのですが、毎年11月の祭は昨年はコロナのために中止だったとのこと。今年再開されるようなら、ぜひ見たいものです。
午後は人吉に戻らなければならないので、見学関係を早々と切り上げ、八代飯店で昼食を取って帰りました。
注文したのは2月までの期間限定メニュー「バンピーエン」。
熊本オリジナルの中華料理「太平燕」(タイピーエン)と、八代特産の世界最大のミカン「晩白柚」(バンペイユ)のコラボ。スープに晩白柚の果肉が入っており、爽やかでとても美味でした。
食事時間を入れて3時間ほどの滞在でしたが、とても有意義なひと時でした。