昨年7月の豪雨災害では、人吉ハリストス正教会の信徒が園長をしている相良村のなつめ保育園が、大きな被害を受けました。
先日、前任地の信徒から、なつめ保育園に絵本などを寄贈したいとの申し出があり、私の方に現物が送られてきたので、今日先方に届けに行き、復旧状況を見せてもらいました。
災害発生の時は、電話が通じなくなって信徒の安否確認が全くできなかったため、相良村には発生翌日の7月5日に直接行きました。
現地の信徒たちの無事は全員確認できましたが、なつめ保育園は大量の泥に覆われて田んぼのようになっていました。
相良村には幼稚園はなく、保育園が三つあるだけです。その中でなつめ保育園は一番大きく、村の就学前の子どもたちの大半が通っていました。ですので保育園の再建は、教会の信者がやっているからという以前に、村人たちにとって急務だったのです。
そこで人吉ハリストス正教会としても、集めた復興支援の義援金のうち、総額の約半分をなつめ保育園に寄付させていただきました。
保育園は近くの老人介護施設の建物を仮園舎として運営を継続しつつ、修築工事が行われました。水害発生の一か月後に様子を見に行った時は、浸水した床や壁がはがされた状態でした。
しかし突貫工事の甲斐があって、10月に元の場所で再開することができました。
保育園は冬休みを終わって、昨日から保育が始まっていました。
綺麗に修築されて、何事もなかったかのようでした。
本棚の多くは流されてしまいましたが、高い場所に保管してあって難を逃れた本が並べてありました。
正教会のクリスマスは1月7日なので、まだプレセビオが飾られています(保育園自体は無宗教です)。
ひな人形や、その他の置物の人形は流されてしまいましたが、寄付された日本人形が飾られていました。
園庭の遊具も損壊しましたが、修復されて元の位置にありました。
昨日ご紹介したように、被災地の復興は気が遠くなるくらい遠い先なのですが、こちらの保育園が早いうちに復旧できて村の子どもたちが通えるようになり、嬉しく思いました。