九州には正教会が四つありますが、司祭は私一人だけなので、年末年始は各教会を巡回して毎週降誕祭の祈祷を行うことになります。
人吉教会では12月20日(日)の予定です。
その教会行事と並行して、被災した子どもやお母さんたちに人吉教会の施設を開放したことにともない、12月23日、24日、26日と子どものためのクリスマス会の予定が入っています。
こちらとしては基本的に活動の運営は主催者にお任せして、宗教が干渉しないように心がけていますが、さすがにクリスマスはキリスト教の祭ですし、教会を会場にお貸ししている以上、教会として全く没交渉というのもおかしいと思っています。
そこで、クリスマス会の中に少しは「教会っぽい」ことをさせてもらおうと、妻とプランを考えています。
人吉球磨地方は教会が少ないので、正教会どころかキリスト教会に入ったことがない子がほとんどでしょうから、聖堂に入って(その点、正教会の聖堂はビジュアル的には見栄えがします)、退屈しないレベルの「神父さんのお話」を聞いてもらう時間を取ってもらおうと思います。
クリスマスカードも市販されているようなものでは芸がないし、正教会的でもないので、妻がイコンを貼って手作りし、それを配ることにします。カードはできていますが、事前にオープンにするなと妻にきつく言われていますので写真は載せません(笑)。
普通に考えれば、子どもたちに教会でクリスマスキャロルでも歌ってもらった方が絵になるとは思うのですが、たとえ子どもでも正教会の聖堂内で「きよしこの夜」や「諸人こぞりて」のような異端の楽曲(あくまでも正教会の解釈です。済みません)を歌わせることは、司牧者として躊躇せざるを得ません。聖堂、つまり祈りの場所でなく会館や旧司祭館でならいくらでも歌ってもらって構わないのですが。
それで私の手持ちのCDの中から、海外の上手な聖歌隊が歌っている正教会の降誕祭の聖歌を聖堂内にBGMで流すことにします。
この教会に皆さんが集うようになったのも神の導きかも知れませんので、少しでも正教会ならではというものに接してもらえれば、と願っています。