水上村の公式サイトに紅葉が見ごろだと書いてあったので、水上村の市房ダム湖まで行ってみました。
ここは公園になっていて、熊本県内有数の桜の名所ですが、それに比べて紅葉の方はあまり大したことがなかったです…
それよりも、重機で大量の丸太を駐車場に積み上げていて、何の工事かと尋ねると、7月の豪雨災害で大量の流木がダムに溜まり、それを撤去しているとのこと。
確かに湖岸を見てみると、沢山の流木が遊歩道のところにまで、今も転がっています。
あの豪雨の時はダムが決壊しそうになり、緊急放流が予告されましたが、寸前で回避されました。もし放流されていたら、このような流木とともに、大量の土石流が下流の人吉に押し寄せていました。
そうなったらわが人吉の市街地は壊滅していたでしょう。
災害の爪痕を目の当たりにして、水上村を後にしました。
このまま人吉に戻るのも味気ないので、途中のあさぎり町にある麓城跡が県内有数の紅葉の名所と聞いて、寄ることにしました。
麓城は人吉球磨の領主だった相良氏の分家・上村氏の居城です。南北朝時代から、上村氏が1557年に滅ぼされるまで城がありました。
城跡といっても、今はハイキングコースのような山道です。
途中に上村氏の菩提寺・東円寺の山門と薬師堂があります。
山門の仁王像は面白い顔立ちで、つばで濡らした紙つぶてを投げてくっつけると、病気が治るご利益があるとのこと。
本堂の「谷水薬師堂」は県の文化財で、本尊の薬師如来像は「日本七大薬師」。あとの六つはどこにあるか知りませんが…
さらに急な細い山道を10分ほどかけて登って行くと頂上に到着。
モミジの木が沢山植えられていましたが、まだ色づき始めで見ごろには少し早かったようです。
城山の斜面を見ると、白い筒のようなものがおびただしく立てられていました。よく見るとモミジの苗木の支柱でした。
山の斜面がモミジの木で埋め尽くされていたものが、7月の豪雨で崩落してしまい、植え直したのだと思われます。
これが成長してモミジの林になるまで何年もかかるでしょう。
びっしりと立てられた苗木の支柱が、何だか墓標のようで少し悲しくなってしまいました。
菊の展示会「球磨菊花展」を見ました。
菊を鑑賞して国宝の門から出ると、水害で蓮池に溜まったヘドロの除去工事の真っ最中でした。壊滅状態になった蓮池をよみがえらせるプロジェクトです。
水害から4か月経ちましたが、どこに行ってもその爪痕からの復旧が進められています。