九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

人吉に来て、今日で1年になりました

昨年10月7日に人吉に来て、今日で1年になりました。

 

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私も妻も東京出身で、親戚は九州どころか関西以西にはいません。東京在住の高齢の母や成人した4人の子どもたちと別れて、夫婦と犬だけで人吉に来ました。

その犬も今月で16歳です。もう自力で立つことも難しくなってしまいましたが、この地で1年間よく生きながらえたと思います。

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ほたる(♀16歳)

人吉には知っている人が誰もいない状況で来たわけですが、妻も私もゼロからのスタートという高揚感に満ちていました。

九州はどこも風光明媚で、見るものも食べるものも何でも珍しく、またいろいろな人たちとの出会いと交流がありました。

 

人吉に来てちょうど9か月で大水害発生。せっかく慣れ親しんだ街が根こそぎ破壊され、それを見ると「自分がここに来たことに意味があったのか」と思い、しばらく猛烈な虚無感に襲われました。

しかし、九州の人々と復興支援を共通項とする繋がりが増え、自分にやれることをやっているうちに、再び最初の「ゼロからのスタートという高揚感」を取り戻したように感じています。

人吉転勤は偶然でも、まして左遷でもなく、このことを気付かせるために神が計画して私を遣わしたに違いないと、今は確信しています。

 

今日も午前中は教会境内地の草刈り作業。

帰宅してからは、支援金をくださった方たちへの御礼状と決算報告を送るため、郵便振替通知のデータを一件ずつ照会して、ご芳名の住所録を作成しました。

 

転勤1周年だからといって特別なことはやっていません。今日もただ、自分にできることをやって、また一歩前に進んでいくだけです。

地域の完全復興までこの先何年かかるか分かりませんが、それを見届けるまで、人吉で神に与えられた勤めを果たしたいと思います。