九州の正教会

日本ハリストス正教会のグレゴリー神父です。熊本県人吉市から情報発信しています。

失われた風景の思い出~上村うなぎ屋

今日で水害からちょうど2か月。

復興への道はまだ遠い先です。

 

人吉は鰻が名物ですが、その人吉のうなぎ屋の中で最も有名な店が紺屋町の「上村うなぎ屋」でした。

明治41年創業で、百年以上継ぎ足してきた秘伝のタレが自慢の店です。

 

私が人吉に来た翌月の昨年11月に初めて行ってみましたが、いつも店の前には長蛇の列。

1時間ほど待って入ると、古民家風の趣ある佇まいです。

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上村うなぎ屋の店内

注文を取ってからうなぎを焼くので30分ほど待たされますが、出てきたうな重は実に美味。評判通りの味でした。

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上村のうな重

食べ終わって店から出ると、午後2時近いのに行列は途切れていませんでした。

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上村うなぎ屋の順番待ちの行列

 

しかし、この店も2か月前の水害で無残な姿に。

秘伝のタレも失われたと新聞に載っていました。

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被災した上村うなぎ屋。7月8日撮影

店の前に来て、ショックで足がすくんでしまいました。

 

現在は災害ごみは片付けられていますが、店は閉まったままです。

いつの日か店が再開すると固く信じ、待ち続けています。